Rockaku Works実際どうなん?このサイトについて

AIを増やせば便利になると思った。でも最初に必要だったのは情報管理だった

ホワイトボードの前でロクが案内している。結果:やってみたら意外だった。ボード:「壁はAIの性能ではなく、情報の共有だった」

結論

気づいて直す運用は機能しているが、まだ「防ぐ」仕組みではない

AIを増やせば、そのぶん便利になるはずだった。

やってみて最初にぶつかったのは、AIの性能の壁ではなかった。情報を共有する仕組みが、まだ整っていなかった。

複数のAI環境を並行して使い始めてから、同じ目的の仕組みを別々の場所に作ってしまった。原因をたどると、AIの能力より、「今どこで何が進んでいるか」が共有されていなかったことのほうが大きかった。

きっかけ・仮説

対話向きの環境 作業向きの環境 共通の置き場所 (当初の仮説) これで情報共有できるはず
今回の構成を簡略化した模式図

ひとつのAIだけに頼るより、目的に応じて複数のAI環境を使い分ければ、もっと多くの作業を任せられるはずだと考えた。対話や相談に向いた環境もあれば、ファイルを操作して手を動かす作業に向いた環境もある。それぞれを適材適所で動かせば、人間がやることをさらに減らせる、という想定だった。

そこで、どのAI環境から見ても同じ状態を確認できるように共通の「置き場所」を用意し、決定事項や作業の状態をそこに記録していく仕組みを整え始めた。

やったこと(検証方法)

  • 共通の記録場所

    何が決まっていて、何が進行中かを書き残す場所

  • 日々のログ集約

    複数の作業記録を一箇所にまとめる仕組み

用意したのは2つ。

ひとつは、複数のAI環境がそれぞれ参照できる共通の記録場所。何が決まっていて、何が進行中で、何がまだ検討段階なのかを書き残す。

もうひとつは、日々の作業ログを一か所に集約する仕組み。複数のAI環境から出てくる作業記録を、散らばらせずにまとめて残す。

「便利になったか」を測る数値指標は用意していない。運用しながら、同じ作業が重複していないか、情報を探す手間が減っているかを実感ベースで見た。

起きたこと(検証結果)

ある目的のための記録場所は、すでに別の場所に用意され、動き始めていた。ところが同じタイミングで、別のセッションが同じ目的の記録場所を必要とし、既存の場所を知らないまま、共通の記録エリアの中にもうひとつ作ってしまった。

同じ目的の置き場所が、物理的に別の2か所に同時にある状態になった。

AIが判断を誤ったわけではない。作業そのものは破綻しておらず、渡された情報の範囲では筋が通っていた。ただ、「その情報はすでに別の場所にある」という一点が、そのセッションには渡っていなかった。

AI自身は気づいていない。実際に使っている人間が「使うべき場所は別にある」と指摘して発覚した。すぐに追加した内容を取り消し、重複が起きる前の状態に戻した。被害が広がる前の、早い段階で気づけた。

わかったこと

  • 今回の対応

    参照先の明文化

    この目的にはこの場所を使う、という参照先を残す

  • 以前からの取り組み

    読み込み状態の確認

    記録場所が実際に機能しているかを確認する仕組み

この一件のあと、「この目的にはこの場所を使う」という参照先を、AIが次回以降も読める形で残した。似た状況になったら、新しく作る前にまずここを確認する、という前提にした。

これとは別に、以前から、共通の記録場所が「そこにあるだけ」で終わらず、今使っているAI環境から実際に正しく読み込めているかを確認する仕組みも進めていた。こちらは今回の重複への対策として作ったものではない。

AIを増やす前に必要だったのは、AIそれぞれの性能を上げることではなかった。「今何がどこで進んでいるか」を、それぞれのAI環境が把握できるようにしておくことだった。

実際どうなん?(まとめ)

少なくとも今回のケースでは、問題に気づいて直す流れは機能した。

ただ、それは起きたあとの対応で、同じ種類の重複が作られる前に防ぐ仕組みにはまだなっていない。参照すべき場所を記録に残せても、新しく何かを作ろうとする瞬間に、重複を自動で検知してくれるわけではない。

だから今の答えは、「気づいて直す運用は機能しているが、まだ『防ぐ』仕組みではない」。AIを増やせば増やすほど便利になる、という単純な話ではなかった。先に要ったのは、増やしたあとの情報の流れを決めておくことだった。

補足・注記

この記事で扱ったのは、複数のAI環境をまたいだ共通の記録場所と、日々の作業ログを集約する仕組みだ。ひとつのAI環境の中で役割を分担する取り組み(企画・実装・確認といった役割分けなど)は、この記事の範囲に含めていない。

検証期間は数日間。ここに書いたのは今回確認できた範囲のことで、長く続けたときにどうなるかは、その範囲では見えていない。