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AIを止める条件を作業の名前で決めていたら、止まりすぎた。書き直したあとも、ツールの自動判定は別に止めた

ホワイトボードの前でロクが案内している。結果:思ったより微妙だった。ボード:「文書は直した。ツールは別に止めた」

AIにどこまで勝手に進めさせるかは、9月1日の記事で一度決めた。merge や公開は人間に戻す、という分け方だった。その分け方で3週間回したら、AIは作業の名前だけを見て止まるようになっていた。

結論

9月1日の時点では、merge・push・公開を作業の名前で「人間に戻す」側に置いていた。3週間後、AIはその名前だけで止まり、承認済みの範囲の作業まで人間に返していた。条件を「承認した範囲を越えるか」「重大で取り消せないか」に書き直し、判断の理由に「失敗したとき第三者へ謝り、説明するのは人間か」を足した。それとは別に Claude Code の自動の権限判定があり、9月24日から10月3日までに merge のコマンドを11回止めた。文書の条件を書き直しても、ツール側の判定は止め続けた。止まった回数を書き直しの前後で比べてはいない。

きっかけ

AIにどこまで勝手に進めさせるかは、9月1日の記事で一度決めた。記事制作の作業を8種類に分けて、2種類をAIに任せ、6種類を人間に戻した。人間に戻す側には、次の行があった。

作業分類 判定
本番反映(公開フラグを立てる・主ブランチへマージ・push・デプロイ) 人間の事前確認

止める地点を、作業の名前で並べていたことになる。

この分け方で3週間回した。2026年9月21日、AIの共通ルールを置いているリポジトリで作業していて、止まり方がおかしいことに人間が気づいた。

やったこと

作業の名前だけで止まっていた

その日の朝、AIは状態を記録するファイルを見て、次の一手がデスクトップアプリを開くことなら「人間待ち」の状態にするのが正しい、と報告した。次に手を動かすのが人間だというだけで、作業が止まっている扱いにしようとしていた。

人間はこう返した。

Human Gate は「merge」「公開」などの行為名だけで機械的に判定しないでください。判断基準は、その操作が既存の承認範囲内か、重大・不可逆・新規リスクを伴うかです。

この指示を受けてAIは記録の書き方を直し、プルリクエストを作った。ところが、その返答の最後は「merge はしていません」で、判断を人間に返していた。文書の書き方を直すだけの、元に戻せる変更だった。

5分後の返答で、AIは自分でこう書いている。

前回私が「merge は Human Gate だからあなたに返す」と言ったのが、今回訂正された過剰停止そのものでした。

AIはそのあと、共通ルールの本体も調べた。止める条件を書いた節には、止める側の一覧しかなかった。何をAIだけで進めてよいかは、どこにも書いてなかった。

止める条件を書き直した

止める条件は9月21日と10月2日に書き直し、9月28日に判断の理由を1つ足した。

9月1日のころ 書き直したあと
何で判断するか 作業の名前 承認した範囲を越えるか、重大で取り消せないか
merge 人間が確認 承認済みの流れの中なら、AIが進める。未承認の方針変更や大きな本番への影響は人間
公開フラグを立てる・デプロイ 人間が確認 初回の公開や新しい公開先は人間。承認済みの流れの中の通常の更新は、AIが進めてよい場合がある
共通ルールの止める条件の節 止める側だけ 進めてよい側の一覧も書いた(元に戻せる作業、承認済みの流れの中の merge・deploy・publish など)
止まりすぎ 扱いなし 失敗として扱う
非公開リポジトリの作成・push・プルリクエストの作成 書いていない 人間の確認は要らない(10月2日)

人間に返すものも残した。新しい課金、取り返しのつかない削除、公開リポジトリの作成や公開への切り替え、force push、権限の変更、秘密情報を含む操作。

9月28日に足した判断の理由は、人間のこの指示から来ている。

AIは作業を代われても、対外的な謝罪・説明・信用回復は人間が負います。

この理由は、新しい停止条件ではない。「法務・プライバシー・信用・対外関係への重大なリスク」をどう重く見るかの理由として書いた。同じ「公開」でも、失敗したときに自分たちの中で直せるなら止めない。読者や取引先のような第三者に届いて、人間が謝ったり説明したりすることになりそうなら重く見る。操作としては取り消せても、第三者が読んだあとに残る影響は取り消せないものとして扱う、とも書いた。

止まった例を数えた

9月22日に、直近で人間の判断待ちになった7件を見直した。人間が決めるべきものだったのは3件だった。1件は、AIだけで決めてよい直し方を、3案並べて人間に選ばせていた。この件は共通ルールが2回ずつ読み込まれていた記事で扱った不具合の直し方だ。見直しの記録には、本物の判断待ちは直近1か月で片手で数えられる程度、とある。

起きたこと

書き直したあとも、止まる場所が別にあった。Claude Code を auto mode で使っているときの、自動の権限判定だ。AIがコマンドを実行する前に、ツールの側でそのコマンドを通すかどうかを判定する。AIが読む共通ルールの文書とは別に動いている。

このPCに残っている Claude Code の記録から、9月21日から10月3日までの merge のコマンドを数えた。

回数
AIが打った merge のコマンド 123回
そのまま実行された 112回
自動の権限判定に止められた 11回

止められた11回は、すべて9月24日以降だった。9月21日から23日の32回は、1回も止められていない。止められたときの表示は、どれも次の形だった。

Permission for this action was denied by the Claude Code auto mode classifier. Reason: [Merge Without Review].

日付 止められた merge
9月24日 2回
9月25日 2回
9月27日 2回
9月28日 2回
10月1日 1回
10月2日 1回
10月3日 1回

止められたプルリクエストのうち4本は、あとで同じプルリクエストの merge が通っている。早いもので6分後、遅いもので約12時間後だった。記録を見た範囲では、止められたときAIはそこで止まり、人間に返している。

10月1日には、merge 以外でも止められた。非公開のリポジトリを新しく作ってpushするコマンドで、理由の表示はなかった。10月2日、人間は別のAIとの会話でこう書いている。

これ、前直したはずでは?

会話の相手のAIは、具体的に書かないと自動の判定がまた止める可能性がある、と見ていた。人間はそれを受けて書き足しを頼んだ。同じ日に、非公開リポジトリの作成・push・プルリクエストの作成は人間の確認が要らない、と共通ルールに名前を挙げて書き足している。

merge のほうは、9月21日の書き直しから、承認済みの範囲内で「可逆・低リスクなら PR 作成から merge まで自律実行してよい」と書いてある。それでも止められている。10月3日の1回は、この記事を作る直前に、記事の候補を記録したプルリクエストを merge しようとして止められたものだ。

わかったこと

止める条件を作業の名前で並べると、AIはその名前を見つけただけで止まる。9月1日の分け方には止める側の一覧しかなく、進めてよい側の書き方がなかった。書き直した直後に、AIが自分で止めた例が1つある。9月21日のうちに、AIは共通ルール本体の書き換えだけは merge しなかった。毎回読み込まれる文書が長くなり、全部のAIに効く方針の変更にあたる、という理由で、作業の名前ではなく中身で止めていた。

ただ、止める場所はAIの判断の中だけではなかった。AIが読む文書と、ツールの自動の権限判定は別に動いている。文書を書き直しても、ツールの判定は止め続けた。10月2日の書き足しは、進めてよい作業を名前で並べる書き方になっている。名前で止まりすぎたところから始めて、名前で並べる書き方に一部戻ったことになる。

止まったときは、どちらで止まったかを見ると切り分けが早い。AIが自分で止めたときは、理由を文章で返してくる。ツールが止めたときは「Merge Without Review」のような短い表示か、理由の表示なしだった。「前直したはず」と感じたら、まずどちらで止まったのかを確かめる。

ツールの判定のほうが間違っていたとは、この記事では言わない。判定の基準は表示されないので、なぜ止めたのかは分からない。止められた11回には、本番のサイトに反映される merge も、記録用の文書だけの merge も含まれていた。ツールがもう1段の確認をかけていること自体を、悪いことだとは決めてない。

数えたのは1人の環境で、このPCの Claude Code の記録だけだ。Codex や ChatGPT 側は数えていない。112回のなかには、人間に頼まれて打った merge と、AIが自分で判断して打った merge が混ざっていて、記録からは分けていない。書き直す前と後で、AIが止まった回数も比べていない。10月2日の書き足しで、非公開リポジトリの作成が自動の判定を通るようになったかは、まだ確かめてない。